PC・スマホ中心の業務で潜在化していた健康課題
「ウェルストレッチサービス」を導入する前、メンバーの健康や福利厚生についてどのような課題を感じていらっしゃいましたか。
一番の課題は、姿勢の悪化や身体への負担でした。ナハトで働くメンバーの多くはデスクワークが中心ですが、SNSを活用した仕事がメインとなる特性上、スマートフォンでのやり取りがとても多いんです。お取引しているインフルエンサーの方々もスマホを主なツールとして活動されているため、私たちも自然と同じスタイルになります。
その結果、首や肩、腰に負担がかかりやすくなり、姿勢が悪くなる人が増えていました。ナハトは年齢が若いメンバーが多いのですが、業務による身体への負担は大きいと感じていました。
メンバーから、体の不調について声が上がることはありましたか。
はっきりと「マッサージを導入してほしい」という要望があったわけではありません。ただ、オフィスで「ちょっと疲れたね」と言い合っていたり、立ち上がって体を伸ばしたりする姿はよく見かけていました。言葉にしなくとも、肩や腰の重さを感じている人が多いと感じており、潜在的なニーズは確実にありました。
御社では、仮眠スペースやオフィスへの出張ランチ制度、全メンバーの席にゲーミングチェアを導入するなど、少し珍しい福利厚生を採用されています。その背景にはどのような考えがあるのでしょうか。
創業時から大切にしているのは「ナハトという会社を作る」よりもメンバーが集まり、ずっと働き続けたいと思える「コミュニティを作る」という考え方です。仕事は人生の中で多くの時間を占めるものです。長い時間を過ごす場所の居心地がよくなければ、良い成果も出にくく、長く働くことも難しいと思っています。メンバーには、キャリアの最後までこのコミュニティで健康に働き続けてほしいという想いがあります。
ゲーミングチェアの導入も、社長の「もっと快適に働ける環境を作りたい」という思いから始まりました。そのため、福利厚生は単なる“おまけ”ではなく、理念を具体的な形にするための手段だと考えています。
「福利厚生の最終的な指標は収益性」効果の可視化が決め手に
数ある健康経営関連サービスの中で、「ウェルストレッチサービス」を取り入れようと思った理由を教えてください。
専門トレーナーがオフィスまで来てくれる「出張型」である点に惹かれました。もし自ら店舗に通う形式だったら、利用頻度は低かったかもしれません。業務の合間に移動せず受けられる手軽さは、忙しいメンバーにとって、大きなメリットです。
そして何よりも重要だったのは、「効果をきちんと数値で見える化されている」という点です。
「効果の見える化」について、もう少し詳しく教えてください。
私たちは、福利厚生の最終的な評価軸を「ナハトの収益性」と考えています。メンバーの満足度やエンゲージメントを高める目的は、単に気分を良くするためではなく、仕事への意欲を高め、生産性の向上につなげるためです。
そのため、取り組みの効果を数字で示せるかどうかはかなり重要です。例えば以前、福利厚生として、低用量ピルを定期的に届けるサービスを導入しました。月経による不調を解消することを目的としたものです。このときは、「生理による経済的損失」に関する医学的データを活用し、導入効果を数値で説明できたことが決め手になりました。
マッサージなどの健康支援施策は成果が見えにくいものですが、「ウェルストレッチサービス」は「どの程度改善が見込めるのか」「業務効率にどんな影響があるのか」をデータで示してもらえました。経営の立場から見ても、非常に納得感のある安心材料でした。
予想外の利用率90%。生産性は20%向上し、エンゲージメントにも寄与
実際に「ウェルストレッチサービス」を導入されて感じた魅力を教えてください。
1回15分で完結する時間設計は、とてもよくできていると感じました。仕事の合間に気軽に受けられ、パーテーションがあるので、ほかの人の目を気にせず利用できる点が大きな魅力です。
また、ナハトから指定された時間に受けるのではなく、自分の意思で予約して受ける仕組みになっているのも良いところです。自分のペースで選べるからこそ、利用率や満足度が高くなっているのだと思います。
利用率はいかがでしたか。
12時から20時までの予約枠が常に埋まっており、利用率はなんと90%でした。想定以上の結果で本当に驚きました。
というのも、以前は3ヶ月に1回、外部の施術者の方を呼んでマッサージを実施していたのですが、そのときは利用するメンバーが少なかったんです。ナハトが日程を決めていたため、メンバーにとっては“義務的な健康イベント”のように感じられていたのかもしれません。
それに対して「ウェルストレッチサービス」は、自分で予約して受ける仕組みなので、主体的に参加する人が多く、高い利用率につながったのだと思います。
本当にありがたいことです。利用後のアンケートを拝見して特に印象的だったのは、年齢や役職に関係なく、新しく入ったメンバー含め、多くの方が積極的に利用してくださったことです。サービスそのものを「ナハトの魅力的な福利厚生」として前向きに受け止めていただけたのだと感じています。
さらに、数値としても明確な成果が出ています。アンケートでは「生産性が約20%向上した」との回答がありました。加えて、「ナハトがメンバーを大切にしてくれていると感じる」といった声も多く寄せられ、エンゲージメント向上がはっきりと見て取れました。
満足度調査では「大変満足」「満足」を合わせて約90%に達し、「今後も継続的に利用したい」という意見も多数ありました。導入によって、心身の健康だけでなく、ナハト全体の一体感も高まったと実感しています。
私自身も空き枠で体験させていただきましたが、実際に受けてみると想像以上に効果を実感しました。首や肩を中心に施術してもらったのですが、体が軽くなるだけでなく、気分まで前向きになる感覚があります。やはり、気持ちが軽やかになることは、組織のコミュニケーションを円滑にする上でも大切だと改めて感じました。
「ウェルストレッチサービス」は、どのような企業に向いていると思いますか。
まず、私たちのようにデスクワーク中心で働くメンバーが多い企業には、とても相性が良いサービスだと感じます。長時間同じ姿勢で仕事をする人が多い職場では、体の不調が蓄積しやすいので、日常的にケアできる環境があることは大きな価値になります。
さらに、採用に力を入れている企業にもおすすめです。給与や仕事内容が同程度の企業が並んだとき、最終的な決め手になるのは「働きやすさ」や「人の雰囲気」、「福利厚生」などの環境面だと思います。 その点で、実用的で少しユニークな福利厚生は、他社との違いを生み出せる強いポイントになります。
また、「健康経営に興味はあるけれど、何から始めていいか分からない」という企業にも、気軽に始められるサービスだと思います。大きな準備がいらない分、まずはお試しで体験してみるだけでも十分に価値があると感じています。